【GⅢ 東京新聞杯】回顧・検証~馬場私観を添えて

馬場私観

まず初めに当週の東京競馬場の馬場の私的見立てー馬場私観ーから述べる事とする
というのも、割と結構な数(と思われる)人が現在の東京の馬場は「前が止まらない馬場、前内有利の馬場」という意見をネットやツイッターで述べており、この東京新聞杯においても「前有利の馬場だったので後方から伸びてきたジャスティンカフェやエアロロノア、プレサージュリフト等は強い内容だったけど残念だった」とする見解が思いの外多いと感じたからである

ツイッターで既に述べている事柄ではあるが今一度、
D2週目東京の馬場は直線の伸びは内外互角で前後位置取りバイアスは完全にペース次第で、元値が直に反映されやすい状態である

下記画像はツイッターにおける東京新聞杯の予想・見解であるが、そこで土曜東京の「ラップ」,私的『LT』(=ラップ×馬場指数)からの決まり手と上述の前後互角である証左を述べている

東京新聞杯』にしても前で上位に来たのはウイン1頭のみ
2着ナミュールは中団前の5番手追走、3着プレサージュリフトは中団8番手、4着ジャスティンカフェは後方前の13番手、5着エアロロノアは後方前前12番手である
34.4-34.7の馬場私観からの『LT』は「後0.75」で後方にいる程アドがあり互角近いが「稍前がキツめ」の流れだった事から、冒頭のような「前が有利な馬場による前残りの競馬」というのは正しくない
仮に明確に前有利の馬場ならば、このラップ≒ペースなら前に行った他の馬達は軒並み僅差上位になっているはずである

日曜他のレースを見ても、
『東京9R ゆりかもめ賞』は35.7-35.2で2400mにおける『LT』は「後1.5」で実際最後方と最後方2に位置した2頭が1.2着。これを見てもラップから適性の位置取りの馬がちゃんと上位に来ておりどう考えても特別に前が有利な馬場ではない事が分かる

また『東京8R』は37.2-33.7の超S(スロー)で「前3」、1着中前前4番手の位置取り、2着逃げ馬は当たり前の前残り競馬
※因みに0.1差3着のエクランドールは中団後方6.7番手からで、この馬が1番強い内容

『東京6R』もまた37.0-34.0の超Sで「前3.5」、8R以上に前が断然に有利なラップで2.3着は其々2番手追走、3番手追走と当然の結果。勝ったのは中団後方10番手のナヴォーナでこの流れでさえこの位置取りから0.3差も突き抜ける程でとても特別に前有利な馬場とは言えない事が分かる
但し、この馬に関しては馬場云々別にしてこの流れを10番手から0.3差突き抜けで水準超えの格別に強い内容である。この日のレース内容だけで私的『LT』からは即“重賞勝ち負け圏の元値”である
競馬は脚力だけではないので実際にナヴォーナが今後どのような成績を残すかは走ってみないと分からないが、少なくとも私が常々述べている「元値」に関しては重賞で上位圏にあると見て全く問題ない

『5R』は35.2-35.0のMm平均、1600mでの『LT』は「後0.5」ーほぼ前後互角で稍後方アドあり位で決まり手含めてほぼ元値通りの結果

といった具合でペースに応じて前、後と決まり手はしっかり分散している

 

ラップ~『LT』(=ラップ×馬場指数)

LAP 12.3-10.8-11.3-11.4-11.3-11.0-11.6-12.1

前半34.4-後半34.7 ー 始終と2f目の10秒台以外全て11秒台。この日の東京の馬場は先週と前日土曜の芝全レースから高速強、私的馬場差指数からは『マイル-Msm』、水準よりは早い時計が出る状態だが超高速の早過ぎる馬場までではない位
私は勝ち時計というのは重視しないスタイル(時計というのは結局の所、全てその時の馬場状態とS or H等のペースーレースラップに因る為)だが、この日の馬場状態でのこの勝ち時計は水準超えでかなり優秀

そして馬場差を考慮した私的『LT』(=ラップ×馬場指数)からは『Mm+0.25』『後0.75』の位置取りバイアス。これはつまり0.75分後方にいる程有利な位置取りで前が相対的には稍きつめの指数となる
私的『LT』からは”勝ち馬のウインカーネリアンは着差以上に強い内容”である
ただ、この「後0.75」というのはそれ程に大きなものではない

例えば世に1馬身は何秒に換算できるかといった研究等あるがこれも子細に見ていくと距離や良・重等馬場状態によっても数値が変わってくるとするのが一般的であり、私のように全レースにおいて『LT』を算出し全ての馬の能力指数≒元値評価を出そうとする際に200mの距離毎に補正を設けて等割り出すのはとても現実的ではない。いや、あるいはAIで予めそのような学習方法をセットして等なら可能であるかもしれないが手動では全く無理な話しである

私の場合一律で「1馬身≒0.18秒」で全ての元値評価を行っている
※昔からあるJRAによるハンデ戦における方法論ー1キロ≒1馬身≒0.2秒を参考に、長年の私的考察と改良で現在は上記「1馬身≒0.18」を採っている

この数字を基にした先の「後0.75」は馬身にすると凡そ半馬身弱、着差としては見方によってはごく僅かなものとも言えるかもしれないが、私は決勝線におけるこの半馬身というのは結構な差であると考えている
また「後」とあるので↑添付画像の決勝線画像に後方で競馬した馬ほどその分のアドを採る。1着ウインカーネリアンと2着ナミュールは頭差であるが、ウインは逃げて通過順位1-1、ナミュールは中団前の通過順位5-5で、ハナ馬から最後尾が0.75である故、実数の「後0.75」からの補正値で約0.3程≒1/4馬身程を更にウインに与えた分が『私的元値評価』となる
”ウインカーネリアンは着差以上に強い内容とした論理の組立てー私的『LT』理論”は以上となる
同様に後方に位置した馬ほど順次その位置取りに応じた補正値分だけ元値評価を減衰していく

 

各馬評

私の予想は以下
※ツイッターより

 

ウインカーネリアン 1着

前項で述べた通りにこの日の馬場とラップから着差以上に強い内容
上述のラップ様に”一貫厳しめの早い流れの持続戦”を単騎ハナの形で自身最高パフォーマンスをみせた
昨年3月に蹄葉炎からの復帰で51w振りだった「六甲S」以後の5戦で見せた事のないもので少し驚いた。重賞勝利となった「関屋記念」においても、36.2-33.0の超Sは「前3」を2番手からで大きく位置取りに恵まれたものでの勝利で、逃げて2着のシュリを0.1差交わしただけの競馬。同様に0.1差3着ダノンザキッド中団前6番手よりも劣る内容であった
その2走前の「谷川岳S」も超Sは「前3」を2番手からで特別に強い内容ではない。その次走の「米子S」は34.5-35.0で当時の私的馬場指数からの『LT』は「後1.5」で前に厳しい流れを3番手からで実際2着以下は後方馬が占めており、その中をあの位置取りで0.2差は着差以上に強い内容。ただラストが11.2-12.2と急激に落ち込んではいた。それでもこの米子Sの内容からは次走「関屋記念」のパフォーマンスは落ちていると評しており、これも上述「~早い流れの持続戦」に特に秀でているとする本馬の特性の逆説的な証左としてよいかと考える

蹄葉炎からの復帰で51w振りと述べたが、この怪我によりそれ以前の元値は完全には戻り切らなかったと考えていたところがあった。というのは、元々それ以前、特に「3勝クラス,幕張S」の内容が私的『LT』から強烈に強い内容(この日の中山は超高速馬場ではあったがこれも早い流れの持続戦)でこの競馬だけでGⅢは楽々勝てると当時記載しており、その直後に蹄葉炎発症、先の「六甲S」に繋がるのだが重賞関屋記念を勝ってはいても私的元値評価からはこの「幕張S」でみせたパフォーマンスはなかった為である

それがこの日の「東京新聞杯」で再度「早い流れの持続戦」となるとこの高パフォーマンス。幕張Sから実に6走振りである。怪我の影響ではなく、復帰後は自身の最高パフォ―マンスをし得るに最適なラップではなかっただけであった。本番「安田記念」に大いに期待が持てる内容である
また、過去評よりこの馬は休み明けも走れるが「叩いた次走確実にパフォーマンスが上昇」する。今回も私的見立てで「◎!」文句なしのデキ凡そ「9.6」程ではあったが未だ少し上昇する余地のある数字であり、馬体重+10からも間違いないのところと考える

ナミュール 2着

ツイッターでの予想時の見解は下添付画像
ベストは1800~2000mとの見立てだが、マイルもOK,いや東京のマイルであれば他場の1800と近似の見解でもいいだろう
今回は兎に角デキが凄まじかった。「3歳秋以降に完成~」の私論の通りに当週追切りは、若干だが普段より時計が出にくい状態だった栗東坂路で53.6-11.8を計時。間違いなく過去イチのデキとの見立てだった
「後0.75」の『LT』から頭差の勝ち馬に着差以上に僅かだが劣る元値評価となるが、同様僅差の2.3着馬には位置取り差からこれも着差以上に上の内容で▲印様に走ってきたとの評価。今回のパフォーマンスが目一杯の最高のものとの見立てではあるが、これ位の差というのはそれこそ他馬の出負けや詰まり、若干の追い出し遅れ等で挽回し得るものであり、先述の「~完成、成長」加味で今年の競馬が楽しみになるものであった

プレサージュリフト 3着

元々東京マイルで能力Maxとの見立てだった馬
前走京都金杯が54キロ◎で1.2着とは4キロ差ではあるが私的『LT』から「仮に同斤量であった場合にはそれらより0.05差分上の強い内容」であった。勿論斤量差考慮の元値は1キロ≒1馬身云々から少し下の元値換算になるが、この馬も出遅れから押して前の位置取り+レースが「Hの後1.5で位置取り△」であった事から元値換算の際の当時の斤量差は相さい可と考え、 大きくパフォーマンスを上昇させたイーガン騎乗同様初騎乗ルメールでこの面子でも十分に馬券圏内としての◎印
また、前走は年末年始の調整故か私的デキ見立ては8分程であり、今回はそこから『↑』◎!,自身最高潮と同様のデキ。少し人気は落としていたようだが、見立て通りの0.1僅差3着

この馬もナミュール同様今回が目一杯のパフォーマンスと考える。元値は細を穿ち把握しいるので、本番がヴィクトリアマイルか安田記念か分からぬが、ペース≒ラップ次第では再度僅差上位まで

ジャスティンカフェ 4着

元値は今回の面子で最上位との見立ても、11w今回は◎!デキだが9.5程、Maxまで未だもう少し上昇の余地があったのと、内枠のヤネで追い出し遅れの懸念ありとで○印
結果は0.1差4着。僅差の上位5頭の内1番後方からの競馬で最もアドバンテージがあった中でのもので0.1差の着差以上に元値評価は下がる
ただ懸念にあった通りに、少しだが直線入ってからしばらく他馬が追い出している中ですっと動ける状況ではなく「有り体に言って、ヤネ不安の少しの追い出し遅れ」と、最後50m程で少し狭くなり接触はないが追い辛くはなっていた。これら2点が仮にない状態でスムーズであれば「後方のアドバンテージ」をもって0.0差入線であったとみている。それで、ちょうどマイルCSのエアロロノアとの私的元値評価差ままである
※マイルCSは直線内で鈍詰まりで仮にそれがない状態で0.2差分時計が詰まるとの算段で、その際にエアロロノアとは0.2差,ちょうど1馬身強程の元値差との評価

ラップ含めて今回の条件での勝ち馬が想定以上に高い元値で、次走まだ少し上昇あるデキであるにしてもその点は勝ち馬も同様であり(デキの上昇幅に関しては寧ろ勝ち馬の方が大きい)その差は埋まり難いとするものであるが、本番はヤネ替わりが確定しており、もし「腕の立つ」短期免許外国人の騎乗となるならば今回からパフォーマンスを大きく上昇させる楽しみはもてる

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