【GⅠ オークス】回顧・寸評

『LT』=Lap Time×Track指数
LAP 12.3-10.5-12.3-12.6-12.3-12.0-12.0-12.0-12.0-12.0-11.6-11.5

日曜東京は、土曜日=前日金曜から当日朝8時まで降雨の稍重→良9R以降、から乾いてTrack指数は+0.5と予想記事にある通りの『マイルMm』ー『2400m換算Sh』で「超高速・並」良馬場。

東京2400mにおける「35.1-35.1、中盤緩みなし」のLAPから、
『LT』=『後2』のH
かなり後方にアドバンテージがある競馬、かつ前はキツめ。

総評
ライトクオンタム田辺が◎スタートから道中も緩めるところなしで『後2』のH。今回の面子でこのペースを想定して予想を組み立てるのはほとんど無理筋といった所感。
予想記事で述べたように『オークスというレースは1,2頭を除いてほぼ全馬近くが「本質的には距離が長い△」である。実際古馬になって2400mを主戦場とする馬はほとんどいない。だから全馬最後はSであっても止まり気味になる為に、毎年差し決着となるわけである』といったレースの性格上、基本的には皆ゆっくり行きたい意識はある。それでも脚質や特性で仕方のない馬も当然おり、毎年短距離・マイルで飛ばして逃げてきた馬には注意しているが、ここまで飛ばして逃げるのは想定の範囲外であった。
ライトクオンタムは桜花賞の予想記事で1枠で逃げる可能性があるとしたが、そこで控える競馬を豊が選択していた為、距離伸びるここで行かせるのかといった感。田辺は時折1発狙いの思い切りの良い騎乗をする騎手であるが、それにしてもと。あれだけ気持ち良く飛ばしてしまったとなると、また次走以降乗り難しくなったなという印象が先に来る。
その流れを中団の6番手(※6番手といっても前からは離れてのもので馬群の中団である)からで、2着以下が4着のラヴェルを除いて全てこの馬より後方からは、1.0の着差以上の元値差。
「マイルは少し短い。~桜花賞よりはオークスの方が本馬のパフォーマンスは上がる」としたが、数値的にはちょうど桜花賞より1段階上の内容であった。
この馬自身は1段上であるが、当レースにおいては2着とは実に『5枚分』もの開きがある。それを鞭2発のみ+稍しっかり追いもガチ追いまでではなく、まだ余力ありでの走。見た目通りに大楽勝。
前走から1段上というが、前走でも水準から1枚超えのかなり強い内容であり、そこから更にで「水準より2枚超え」という凡そ見掛けることの非常に稀なレベルの高い数値。
昨年と比較してみる。昨年のTrack指数が『マイルMsm』(※今年の方が馬場が速い)でレースラップからLTは『後1.5』。昨年もHなのだが、今年は昨年より更に早い。昨年の勝ち馬スターズオンアースも水準より半枚超えの強い内容であるが、そこから更にちょうど「0.3」前にいる計算になる。大体2馬身弱位とすると視覚的にも今回のリバティアイランドのパフォーマンスの凄さが分かる。
着差に関してだが、勝ち馬のこの内容に加えて他馬のパフォーマンスが桜花賞よりも下がっているのもある。
『後2』LTよりリバティの次に強い内容=数値であったのはラヴェル。2着ハーパーより0.05分上となる。
このラヴェルがこれまで通り後方からの競馬であったのならもう少し着差は詰まっていただろう。それで大体リバティから0.7差位の見立て。いや0.7差ではやはり大楽勝だが。
私的にはこのラヴェルが何とも口惜しかった。馬券は↑予想記事にある通りに不的中なのだが、残り200m辺りで「完全に抜け出していた注印ラヴェルとリバティで良し」となっていた。後からラップを見ると先3の競馬では致し方なしで。ラヴェルに関しては予想記事の元値評価様に今回はしっかり走ってこれたという感だが、それにしても過去1度もスタートを出たことのない、いや大きめの出遅ればかりであった本馬が『後2』の今回に限ってスタート◎で番手競馬とは…完全に裏目である。戦前の面子から瑠星も(矢作氏も)S予想でスタート出れたら前で1発狙いを、だったのだろうがつくづく持ってない(馬も私も)。先に後方からなら0.7差位の見立てとしたが、その場合ハーパーに1馬身強付けて楽々2着だったろう。
と、逸れ具合が少し長くなったが、元値評価3番手のハーパーの今回の数値を『LT』から同様に昨年と比較してみると、ちょうど5着プレサージュリフトと6着ルージュエヴァイユの間ー5.5着相当となる。今年は2着以下もパフォーマンスが少し低かったのも着差がより開いた要因であろう。
因みに2番目数値のラヴェルで、同値の4着ピンハイと5着プレサージュ相当。
2着以下のパフォーマンスが斯様であった為ではあるが、私的には本来ならリバティアイランドの次に元値が高い評価していたコナコーストがデキ落ち(※予想記事より)+スタートの不利で走れなかったのもこの着差に寄与しているものと考えている。
各馬評
1着・リバティアイランド
総評の項で述べた通りでほぼ。
他は向う正面で少しだけ行きたがった所があり「む?」となったがすぐに折合って胸撫で下ろし。「オークスのがパフォーマンスが上がる」の想定以上のパフォーマンスでより驚きが強かったかなと。引き続き競走馬生・成績が非常に楽しみである。
2着・ハーパー
中団8番手は勝ち馬の1つ後ろ。これも総評の項で少し述べたが、数値からは概ね△印の通りだったかなと。いや正確には△印より1段下の数値ではあるが、他が更に走れてないのでこの数値で2着。それでも桜花賞の数値からは、距離延長の今回は評価を1段上げて本来なら注印にはしているところだったが、デキが少し怪しかった。いや、実際△印の1段下の数値と述べているようにこの馬自身のパフォーマンスは桜花賞からの距離延長での上昇度加味では想定より低かったとの評価である。
印を付ける際少し迷ったのだが、友道師に偶にある例の調整であるー関東遠征の際に1週前に普段通りの勝負仕上げを済ませて、当週は軽く流す型。このパターン、実際に数えているわけではないが、特別戦以上における師の管理馬において大体3割~3割弱位はある感。偶に、の通りにそこまで多くはない。それに2000m以上でこのパターンが多いのも目立つ点。で、このパターンの場合に実際に該当馬が好走時≒いつものパフォーマンスを出しているかについては、これもその中において凡走との比率が3:7位の肌感覚。
※あくまでも私観である
今回のハーパーがこのパターン。私は桜花賞よりは少しパフォーマンスを下げるとみて△印とした(本来なら注印と述べたように)。着順は2着であるが、上述様に実際は少しパフォ落ちとの見立て。リバティアイランドとの1.0差を見ても得心と思うがどうか。
3着・ドゥーラ
後方14,15番手で位置取り◎。2着馬と0.0差だがLTより実質元値数値は「0.15差」と見た目以上に下となる。先述の「昨年との比較」からは6着ルージュエヴァイユの+0.025上相当と、3着ではあるが実はそれ程に強い内容で走っているわけでもない。
ただ自身は近走よりパフォ上げしているのは間違いなく、近3戦のマイル戦から距離が伸びたのが◎。
前走桜花賞はマイル戦の超高速馬場はスピ不足で元値以上に走れていない。
2走前チューリップ賞は「高速・強」で桜花賞よりは少し緩めの馬場、かつ『前1.5』Sでの競馬は、鈍詰まり×でのもの。直線早々の手応えは◎であった事から詰まりがなければLTより「6着相当」としておりチューリップ賞の面子レベルであればそこそこの数値を出していた。
3走前阪神JFは14wの競馬で6着は「後4」追込み競馬を後方からで着順・着差以上に低い数値の内容。チューリップ賞も12wの競馬であり、そもこの馬は阪神JF時から『叩き◎型』と評価していた。その前の札幌戦1800mより大きくパフォ落ちしていたからだ。札幌2歳Sではドゥアイズと全く同値で、それ以後要因明確も余りにも走らな過ぎだった。今回距離が伸びて漸くというところ。
4着・ラヴェル
この馬も総評の項で少し述べた通り+予想記事の評価通り。元値は上位圏の1頭であった。
気性の問題からこれまでゆったり作って来ていたところに、今回初めて目一杯に仕上げてきての競馬。当然過去イチのデキ。
返す返すも1度もスタート出た事のないこの馬が『後2』の今回に限って前での競馬が残念。
5着・シンリョクカ
中団は8番手はハーパーの外。着差通りにハーパーから0.3差でよい。直線入って半ばまでは良い脚だったが200前後辺りで明らかに鈍っているので、距離は少し長い△。17wの桜花賞を叩いての1戦だったが、距離の分1段数値が下がったとの評価。△印で”概ね元値通りで。
6着・ヒップホップソウル
2400mは長い△としていた馬。新馬戦中山マイルはかかりまでは行かないが気勢強く行きたがる感じありの競馬。2戦目ベゴニア賞は問題なかったが、3戦目フェアリーSは「かかり△」で凡走(◎本命でやられた)。前走フラワーCは『後1.5』Hを後方ゆったりめ構えで折合いOKだったが、流石に2400mは厳しいとしていた。
実際スタート後に首を振って嫌がり明確にかかりの態、が向う正面は「ヤネ姿勢低く手綱ガッチリで、かかりまでではないが、ギリ可というかかかり気味というか位の塩梅」。つまるところ折合いOKの競馬ではなかった。それで2着馬から0.3差の6着は本馬の元値の高さを見せたとの感。この感じなら2000mまでは行けそう。
※6着といってもそう高い数値ではないので要注意
7着・コナコースト
予想記事の懸念の通り。デキ落ちで力出せていない。元値Maxままなら悠々2着との評価で。詳しくは↑添付予想記事の同馬の評価で。
スタート直後の不利も多少痛かったか。これについては「ああ、」と吐息が漏れた。昔からGⅠで偶にある武豊の例の~。昔から熱心に競馬と付き合ってきている御仁なら、私と同様の感があったのではと思う。人気馬の隣スタートでぶつけるこれ。少なくとも2,3回は記憶がある。やられた方の馬券を持って方はたまったものじゃないが、これも「技」だよなと、マリーシア的な。
レーンについては2週目以降強烈な包囲網が敷かれており、GⅠではカルロヴェローチェに続いてまたかという所感。短期免許外国人には昔からJRA勢は勝たせないようにアレコレやるが(昔、実際に福永、岩田等が言っていた事ありましたね)、今期は他に外国人がいないのに加えて、JRA勢の顔の数人の騎手を除いてノーザンの1番馬は有無を言わせず露骨に乗り替わらせておりヘイトもかなり集まっている事は容易に想像できる。しかもレーン自身が29歳と比較的若い。ムーアらと違って遠慮がない。2月フェブラリーS週にスポット参戦したモレイラの時もかなり露骨で酷かったが、今回のレーンも「外被せに外張りに並走絡み等」条件戦から徹底的にマークされている。2週目以降乗れてないという意見も偶に見掛けるが、そんな事はない。全てのレースでレーンが乗るだけで異常にオッズが上がり明らかに馬の元値以上の人気・数字になっており、例えば私的評価で△印5~8番人気が妥当との馬が軒並み2,3番人気になっていたりするわけで、確かに明らかに強い=元値の高い馬にも多く乗っているが(そういう馬はきっちり勝っている)、実際の元値以上に人気になっている馬が結果上位に来れなくてレーンが乗れてないというという図式もかなりあるように思う。
GⅠでレーンが人気馬に乗る時は多少頭に入れて置いた方が良いかもしれない。
8着・ソーダズリング
予想記事において「本質的には少し長い」としたが、私の想定以上に2400mは長かったとの結。
スタート後しばらくはやはりというか少しかかったが、前走と違い向う正面ではしっかり折合いを付けて流石の豊となったが、それでも直線入ってしばらくは○手応えで上位圏来るかというところから、坂下ピタッと止まった。将来的には1600~1800がベストかなと。折合い◎のヤネなら2000は行けそうに思う、といったところ。
他、ゴールデンハインドは序盤他馬が速過ぎて逃げどころか番手にも付けれずで。それでも中前の5番手は『後2』の今回は逃げよりもかなりマシな位置だったが、直線全く伸びず。明らかに走っていない。
私的には1角前から最後の直線しばらくまでの間ずっと前後に馬がおらず(向う正面では前後2馬身以上な程)ほとんど1頭で走っているような状態で、闘志というか気勢が削がれたのではないかと考えている。普通、逃げならば直後に馬がいるし、先団にしろ中団にしろすぐ近くに馬がいるものである。レース動画を確認してみれば分かるが、ちょっとあまり見掛ける事のないような競馬だった。他の要因の可能性も勿論あるが私見ではこれが最要因との結で。またどこかで陣営のコメントを拾えればと思う。
ペリファーニアはTwitterにあるように距離が長い。エミューは想定以上に『超高速の東京が×』それと距離も長い△かもしれない。他に要因がない。ミッキーゴージャスもエミューと全く同様の要因2点が最右翼との見解。もしかしたら大きめの出遅れで後方からの競馬がダメだった可能性もある。両者全く走れていないので引き続き自身◎条件で元値評通りに期待したい。
※文中敬称略

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