【阪神ジュベナイルF 2023 回顧・寸評】 1着アスコリピチェーノ,2着ステレンボッシュは水準値超えでレベルは稍高め

『LT』=Lap Time×Track指数
LAP 12.4-10.7-11.3-12.0-11.8-11.3-11.4-11.7

馬場はTrack指数『マイル外回り,Msm』で予想記事にピタリ同値。

このTrack指数で上記LAPから『前34.4-後34.4≒Mm』は、LT『後0.5』となる。
ほぼ平均ー若干H寄り。4f目に12.0があるが、所謂”淀みのない流れ”。
前後位置取り差はほぼないが、若干後方有利め位。

総評・各馬評
今年は勝ち馬アスコリピチェーノがLTより『+0.08』と水準値を超える数値。
かなり強い競馬とまではいかぬが、稍レベルは高めの強い内容。
0.0のクビ差2着のステレンボッシュも『+0.06』と水準値超えで、この2頭は例年の平均値を超えており上々。
0.2差3着のコラソンビートは『-0.16』で明確に1枚下。
予想記事で2歳牝馬の中で最高値はボンドガール、僅少次位にチェルヴィニアと書いたが、この2頭が仮に出ていたとしたら”過去のMax数値”からは『+0.15~0.2』で1,2着ということになるが、競馬はその時々の『L=LAP』と『T=馬場』により元値は大きく変動するので実際のところは「やってみないと分からない」という結となるわけで、今回1.2着馬が水準値を超えたことで桜花賞での対戦がより楽しみになった次第である。
追記
チェルヴィニアに関しては特に何の懸念もないが、ボンドガールは少し危ういところはある。
ボンドは新馬戦が『+0.2』の非常に強い内容で、これが2歳牝馬の中で最高値なわけだが、2戦目のサウジアラビアロイヤルCでは2着とは言え『かかり△』で『-0.34』と自身は”大きく”数値を落としている。※2着とは言え『-0.34』は自身の元値からは凡走である。新馬戦の数値なら完勝している算段
そう最近あったマイルGⅠのセリフォスと全く同じパターンの『レーン→川田』である。ここでも川田が御せずに引っ掛かって凡走している。
馬主も初GⅠに手が届くかもしれない馬なので、おそらく本番桜花賞では短期免許外国人に手替わりするはずで懸念も払拭できようかと思うが、まあ1度完全にかかって凡走してる馬なのでその不安は今後も付いてまわる。

一応予想記事で印を回した馬が上位を締め概ね予想時の評価通りであり、以下各馬評を綴るにあたって下添付・予想記事を踏まえて述べることとしたい。
1着・アスコリピチェーノ (+0.08)
残1f時に先頭から約2.5馬身、レースLAPのラスト11.7とLT『後0.5』から、この馬のレートは『+0.08』。水準値『0.00』を超える強い内容。
↑添付,予想記事にある通りの過去走で、前走『新潟2歳S』が『+0.02』と上々の数値で▲-印としたが、ここはそこから更に少し上乗せ。
要因は明確にLAPであると言える。前走は『前2.5』の超気味のS。自身の特質は父産駒ままで、明らかに今回の『後0.5』平均稍早めの持続戦は◎。
因みに予想記事で「新馬戦東京1400mが『-0.1』水準値を割るもの→2走目新潟2歳S『+0.02』数値を上げたのは、新馬戦のルメールの騎乗振りからして距離が延びた事が最要因」としたが、今回の結果を受けて『距離』と『持続戦◎!』も付け加えたい。
新馬戦東京1400mは『前3.5』の超Sだった。距離もあるが、Sの切れ勝負で数値が上がらなかったのも大きいだろう。
そして『スタート』も。1,2戦目は共に私的表記で『出遅れ小中中』、概ね『1.5馬身位の出遅れ』。
(※以前から度々述べている”毎週の定例”9R以降全てと、2,3歳戦の検証には全馬のスタートの態様記載もある)
それが今回は◎近くのスタート。よりスムーズに流れに乗れた。数値への寄与という点ではこれも割と大きい。
予想記事でこの馬を▲-印、ルメールが乗ったステレンボッシュ△印と、こちらの方を明確に元値評価を上に採っており、何故ルメールはこちらを選ばなかったのだろうかと考えていた位だったが北村宏司継続で好スタートを切って、よりこの馬に向いたLTというのもあるが、ひとまず『+0.08』強い内容で結果を出した。
この数値なら桜花賞も複数頭いる最上位圏の1頭とはいえ、中でもより楽しみは大きいと言える。
※因みに予想時にルメールがテン乗りとなるにもかかわらずステレンボッシュを選んだ理由についてだが、どちらもノーザン産で其々馬主はサンデーレーシングと吉田勝己氏。優先させるならサンデーレーシングだが、おそらく黒岩師のアスコリピチェーノに対しての国枝師のステレンボッシュ、こちらが決め手だろうとの結論としていた。

2着・ステレンボッシュ (+0.06)
0.0クビ差ではあるが『後0.5』LTより、僅かに数値落ちの『+0.06』。といっても本当に極僅かの数値差で『ほぼ互角近く』としていい程。
△印と少し私的評価は下げていたのだが、要因は『距離』だった。
新馬戦札幌1800mが『+0.1』かなり強い内容でこれが3戦で最も高い数値。
2戦目サフラン賞中山1600mで『-0.2』、これは国枝師らしく10wで調教評価『○』8.5分・明らかに緩め仕上げで、実際発表馬体重は『+16』と余裕のあるもの。初戦の数値から叩いた次は上げてくるとみていたがー
3戦目赤松賞東京1600mは1着でしっかり2戦目より上げて勝ったものの、数値は『0.00』の水準値。新馬戦の数値からは少し物足りないものだった。
これらより『1800m→マイルで数値落ち』⇒『適性距離は1800以上◎』との評価で、今回の条件は少し印を下げていた。
実際ルメールのレース後コメントを視たのだが『距離は延びた方が良い』で私の予想時見解と一致で、この馬の特質はこれで良いかと思う。
しかし結果はマイルで『+0.06』と強い内容で、想定より上のパフォーマンス。ルメール替りで数値上げは勿論採っていたが、『武史→マーカンド』での数値差と『マーカンド→ルメール』での数値差を鑑みた場合に、よもやここまでの上げがあるとは予想していなかったというのが正直なところだった。
それと馬体重『-6』。2戦目で+16余裕のある状態、と述べたが3戦目も同馬体重の472。今回は中間からの調教評価は変わらず『◎デキ維持』だったが、絞れた分多少の状態アップもあったものと考える。
ただ新馬戦は『+0.1』とかなり強い内容で、今回もそれには届いていない。やはり『1800m以上で更に数値を上げる』との評価は変わっていない。
マイルでも『+0.06』強い内容で走れたのはヤネ、馬体絞れ等諸々で収穫ではあるが。
デキに関しては初関西も、『国枝師の定例,GⅠでの栗東滞在』いつも通りで、数字からも全く不安はなかった。
桜花賞も今回の数値から勿論楽しみあるが、よりパフォーマンスの上昇が見込めるのはオークスだろう。

3着・コラソンビート (-0.16)
注印でほぼ想定値、振れ幅範疇。
この馬の直前まで1番人気は美味しいと思っていたが、数値から1,2着からは明確に1枚下ではあるものの3着に入ったので上々との所感。
前走京王杯2歳Sが『-0.05』とレコードでの勝ちではあるが水準値を割るもので強い内容ではなく、1,2戦目のマイル東京が明らかに低い数値だったので『距離は1400◎!・マイルで数値が落ちるタイプ』としていた。
今回は前走から『稍↗◎!!』の超抜!で、前走からの数値上げと距離延びての数値下げの相殺で、概ね注印位の想定値を採っていたわけだが、概ねその数値であった。
阪神外回りのマイルで今回の数値なら、この距離でも他の競馬場ならもっとやれそうでその点は注意はいるが、将来は別として現状はやはり『1400がベストで最高値を出せる距離』。
追記
未だ分からぬが、父から成長力はありそうに考えていて、距離も寧ろ中距離辺りに中央値が来そうにも考えており、2戦目東京マイルは0.5差で圧勝に見えるが実際は『-0.2』と低レベル(※鞭なしの楽勝で、目一杯追った場合の算段数値は0.00近くではあるので注意!)だが勝ってはいるので、将来的にはマイルは問題ない馬になるのではと考えているがーまあ初年度産駒なので実際は開けて見ないと分からぬ。
将来的な特質についてはあくまで私の父産駒イメージでの話しなので。

4着・サフィラ (-0.70)
この馬の直前まで2番人気,最終1番人気も元値に対して明らかに過剰人気で、これは旨いなと思っていたが、結果は『-0.70』と、△+印を更に1段下回る低い数値となった。
2戦目未勝利勝ちは0.6差圧勝に見えるが数値は『0.00』水準値。
前走アルテミスSは勝ち馬チェルヴィニアは『+0.175』相当に強い内容だが、そこから0.3差のこの馬はLTより『-0.2』。
少なくとも1番人気になる程の元値ではなかった。
私的には距離もマイルがベストとは考えていなかったのも△+印とした要因。
2戦目,3戦目の数値から、マイルよりは1800、『2000辺りが◎!』との評価であった。母サロミナ×ハーツクライはサリオスと同配合だが、牝馬のこの馬はこれまでのレース内容と脚様から姉サリエラやサラキアに似たタイプとみている。
※そもそもサリオスは超大型馬のガチムチマッチョマン、かつ気性キツく折合いから距離が持たなかったタイプ。世代戦ならダービーも走れているように、馬体からはマイル以下ベストは明らかにせよ気性が穏やかなら中距離も問題なくこなせたはず。この馬が少しファミリーの中で特異であった。

5着・シカゴスティング (-0.78)
△印で着順からはピタリとなるところだが、今回の面子ならもう少しは走れるとみていたものの実際は『-0.78』とそこから2段落ち。まあ5着なら△印の想定値を下回ったとはいえ、よく走ってきたかなという所感ではある。
前走ファンタジーSは勝ち馬カルチャーデイが『-0.12』と水準値割れの稍レベルの低いレースだったが、この馬はそこから更に0.1差で数値は『-0.2』。
それでも印を回していたのは前走から『↗◎!』とこれまでとはデキが全く違ったこと、それと前走京都の超高速馬場から阪神に変わって少しTrack指数が緩んでおり、この馬向きになっていたことの2点。
そもそも前走ファンタジーSは12wで『○』デキで明らかに叩きのデキだった、そこで前記『-0.2』。一叩きで勝ち馬よりは高い数値を見込めるとの算段だった。
距離は1,2,3走で1600m,1400m,1200mと走っているがどれも『-0.2』で、つまり明確にベスト距離がこれとは断定出来ぬ状態で、少なくともマイルで大きく落ちはないという見立てだった。
結果はまさかのの”逃げ”でしかも『後0.5』淀みない流れと、言わば飛ばし過ぎた格好で最後止まってしまい『-0.78』、想定より大きめの落ちとなったわけだが。
ファンタジーS様に溜めて差す形ならマイルも問題ないと考えるが、今回のような競馬なら1400mが良いとなる。乗り方次第で距離は1200~マイルまで◎範疇で良いとの評価。

6着・ルシフェル (-0.80)
『出遅れ小大…』約2馬身の遅れで後方から、予想記事に書いたように「マイルのスピード勝負はベストではない。この距離で後方からの瞬発力勝負だと厳しい」とした悪い目が出て凡走。
ムルザバエフ替りで中団~中団稍前を想定していたが叶わず。
概ね予想記事の通りの特質の馬。少なくとも『1800m以上で明確に数値を上げる型』、前走の高数値とこの面子、ムルザバエフならマイルもこなすかとしていたが×で。
ムルザバエフのレース後コメントを見たが「距離が欲しかったです」と予想時私見と一致。
元値はある馬なので距離延びて改めて。

7着・スウィープフィート (-0.90)
印回した分には走ってはきたものの、想定値よりは大きく下。
レースを視た通りに『3角手前で持ってかれ気味の”かかり稍△”』。直線入り時から◎手応えでおっと思ったものの、かかった分直線半ばでしっかり止まった。
『出遅れ中め…酷め』と私的記載があるが、出遅れもきつかった。これに関しては懸念の『2w』であろう。”デキに問題がある場合は馬は出遅れる”という例のアレである。今までにない大きな出遅れであった。
どうせ最後方付近から行くものと想定していたのでそれはそれとして、その後道中後方からゆったりにもかかわらず『3角手前で持ってかれ気味のかかり△め』はいただけない。
この出遅れでも、直線入り時からの◎手応えからすれば『かかっていなければ』4着争いだったろう。まあ元々かかる馬で、やはり『2w』での影響が大きかったとするべきだろうが。
中間から当週まで数字からは調教評価は変わらず維持の◎ではあったが、懸念の『2w』は殊の外影響大だったとの結。
↓添付のスウィープフィートの記事からも元値は高い馬。今回もあの出遅れ+かかり、でこの数値。評価に値する元値は見せたかと思う。
今後はやはりヤネ次第かなと。仮にルメールが乗るならば(※現実的な話しではなく数値上の設定で,元値のイメージ喚起が目的)、桜花賞でも掲示板以上の元値算段だが、永島のままなら弱メンのGⅢでH等位置バイアスが向いた時に限り勝ち負け,位の立ち位置かなといったイメージ。
初年度産駒で未だ分からないことが多いものの、父,祖父,祖母のイメージからは早熟のイメージはし難く成長力に期待をしたいところ。
スウィープトウショウの孫で、新種牡馬スワーヴリチャード。個人的には少し楽しみを持って見たいと思っている。

10着・キャットファイト (-0.98)
『前走値+0.075』から大きく数値下げ、というより全く走れず。予想記事に「凡走の目もある」としたが、そちらの目が出た格好。
記事通りに『気性と輸送』が最要因だが、馬場もある。
◎スタートも、2,3f目が『10.7-11.3』と速く、『かかるこの馬では、そこを押して前へというのは怖くてとても出来ない』というのは評価通り。仮にあそこで押して先団へ付ける形を採っていたら『かかり△』でもっと酷いことになっていただろう。
押さずで自然中団からで揉まれる形→直線全く伸びずという流れ。道中も”かかり”までは行かぬが稍行きたがる素振りも見せていた。
レース後コメントを見たが「入れ込んでいた」とのことで、懸念の『輸送』が出た形でいいだろう。
アスター賞のように少頭数で揉まれず楽め外追走ならだが、レースでかかる位に気性に難がある馬の初輸送、そして揉まれる内枠。予想記事に書いた評価で。
『馬場』の方だが、こちらは予想記事に書いていなかったが、前走高数値のアスター賞は『中山の稍重』。加えて父の傾向からも、今回の阪神外回り≒終い追っての勝負、まして良馬場のスピード勝負はベストではないとの見立てであった。
それでも『+0.075』は今回の面子で4番目の高数値だったので、悪い方の目が杞憂に終わればとの目論見で▲印とした塩梅。
とりあえず現状は『関東圏+超高速よりは若干緩めの馬場』がベストであろう。その条件で改めて。

他気になる馬は8着ドナベティ
2戦目札幌1500mで『かかり△』の馬で、阪神の外回りマイルは如何にも長いとしていたが、今回は『出遅れ小中大』2馬身弱、で後方からになり逆に道中ゆったりで折合いOK,直線は『稍詰まり』ながらも”3番目○脚”で想定よりは上で私的に上々の内容。
前走ファンタジーSの数値から、1400mでの条件だが『内ラチ終始で△め』元値はシカゴスティングより少し上の馬であった。仮に大外枠でなければ△印は付けていたのだが、その元値に値するだけの内容は見せたかと思う。
※この馬の場合は、気性面と距離不安から今回の条件での大外枠はマイナスだった。
0.9差の8着ではあるが、結構走る馬なので次走以降,特にOP特別辺りなら十分に勝ち負け圏の馬なので引き続き注視したい。
※文中敬称略

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