【短期免許外国人騎手の私評】※2022年秋以降

短期免許を取得してJRAで騎乗する外国人騎手はおしなべて優秀であるが、実際のところ年齢、キャリアに国籍、騎乗スタイルそして騎乗技術にと各々実に千差万別である
そこで今回は直近、2022年秋以降に来日した騎手数名について簡単に私評を記したいと思う

年が明けて1月、GⅠ戦線という観点からは謂わばオフシーズンともされる時期で、短期免許の最大の受け入れ先であるノーザンFにしても超1流どころはやはり春・秋の最盛期に合わせてとなるが、今現在の短期免許取得者の予想での扱いに留まらず前期の復習おさらいと次期に向けてという意味においてログとしての意義はあるものと考える
また、ここ数年『JRA所属』の№1騎手・ルメールの年齢的な要因による緩やかな凋落から、ノーザンF,社台Fを中心とした次代のJRA所属外国人騎手の選別はやはり進行していると見るのが自然であり、近い将来どの騎手がその座(栄誉)を勝ち取るのかという視点を持ちながら毎期来日する外国人騎手を眺めるのも面白いかと思う

まずは2022年秋以降に来日した騎手を以下に
C.デムーロ   フランス拠点  イタリア出身
T.マーカンド   イギリス拠点  イギリス出身
H.ドイル    イギリス拠点  イギリス出身
R.ムーア    イギリス拠点  イギリス出身
D.レーン    オーストラリア拠点 オーストラリア出身
D.イーガン   イギリス拠点  アイルランド出身
B.ムルザバエフ  ドイツ拠点    カザフスタン出身
T.バシュロ    フランス拠点  フランス出身

ムーア
については今更改めてここで記す必要もなく。言わずと知れた世界の超1流騎手
先般ジャパンカップでもきっちり仕事をして帰国。ただでは帰らない愛すべきアイスマン
何度も動画確認しているが、直線入って密集した馬群の中から本当にどこに進路があったのかと只々驚くばかり

一昨年来Twitterで度々取り上げているのがレーン
ここ1.2年では日本で短期免許騎乗をする外国人騎手で最も腕が立つと評している人物
私的に最も印象深いのはリスグラシュー。モレイラに乗り替わって別馬のような競馬を見せたが、以降特にレーン手綱での3戦は本当に素晴らしいパフォーマンスだった
昨秋もマイルCS・セリフォスでGⅠ勝ち。このレースはセリフォス◎印としていたが、レーン騎乗による馬の元値上昇幅を大きく採っていたが故の本命だった
私はJRAの全レースに目を通しており、特に後半レースは仔細にレース検証をし各馬元値評を付けている為、一連の成績から大体このレースではこれ位のパフォーマンスになるだろうという”おおまかな見当”(※競馬は強い馬が勝つわけではなく、該当条件により毎回パフォーマンスは大きく上下する)を付けているが、重賞だけでなく平場から悉くがレーン騎乗馬は直近よりパフォーマンスを大きく上昇させている
レーンに限らず全ての騎手評はこういった視点で導き出している。直近と比べて位置取りはどうか、折合いはどう変わったか、進路の取り方に直線の伸びの違いは、と
レーンに関してはパフォーマンスの上昇幅が他の騎手と比べて最も高いという評価である
夫婦で来日、初の短期免許取得のマーカンドは少し驚いた
初のJRA騎乗であるにも関わらず多くの馬のパフォーマンスを上昇させていた。特に目を見張ったのは直線の伸び。見た目通りにパワフルで豪快にガシガシ追って、元値の低い勝ち負けには足らない該当馬をこれまで見せたことのない直線の伸びで軒並みパフォーマンス上昇に導いた
馬質があまり良くなく重賞には縁がなかったが、私観ではそれなりに元値のある馬に乗っていたらGⅠでも活躍していたとの評価まで
この騎手は次回の来日が非常に楽しみである
C.デムーロはもはや言及する必要もないお馴染みの騎手
いまや凱旋門賞ジョッキーであるが、日本においては当初JRAではなく地方競馬NRAの短期免許をもって南関で乗っていたわけで、それが12年前、斯様に日本歴は長く他の多くの短期免許外国人騎手とは少し毛色が違う
成績通りに腕が立つのは誰がみても分かるが、私評では乗り方が少し荒い。繊細な技術も持ち合わせているがそれ以上にパワーで馬を御するイメージ。外国人特に騎手における白人は、日本人と比べて筋力パワーが段違いに上で、よく日本人騎手との腕の差について論争があるが私はこの”膂力”の部分が最も大きいと考えている。ルメールなどは勿論パワーも相当なものだが技巧で馬を折合わせるタイプでまた別なのだが、大抵の欧州騎手は道中パワーで馬を抑え込むイメージが強い。C.デムーロは明らかにこのタイプで直線も豪快に追ってグイグイ伸びてくるが、その反面気性が度を過ぎて激しく毎回折合いを欠くような馬に乗るとパワーで抑え込む閾値を超えて引っ掛かってしまうという事が超1流どころと比してかなり多い
端的に言えば折合いに関しては少し注意する必要があるとの評価、そういう馬に乗る時はいつも少しパフォーマンスの低下を採っている
直近で分かり易い例を上げれば先程も名前が出たセリフォス。新馬戦、その後と川田、藤岡佑介で問題なかった馬だが、朝日杯は完全に引っかかって普通なら惨敗する位のものであったーそれを元値の違いと折合い以外の腕の部分で0.1差2着まで持ってきている。その後福永も折合い上手い騎手ではないのでNHKマイルまた引っかかって4着、藤岡佑介に戻った安田記念で折合いかなりマシになり古馬相手に0.1差4着、そしてマイルCSではレーン騎乗で折合い更に可になり強い内容で勝利
イーガンもかなり腕の立つ騎手
上述同様に騎乗馬の多くが直近よりパフォーマンスを上昇させており、更に日本に慣れてくれば高いレベルで大きな楽しみを持てると評しているが、如何せん制裁点が多過ぎる
現在執筆時2023/1/20で累計制裁点27。日曜中京10Rでの騎乗停止採決が痛かったが、動画を見ると外にヨレ続けている馬に修正なしで尚左鞭連打で斜行上等のなかなかのラフプレー。が勝ちに行くというメンタルは私的には好ましく、例えば直線前壁になった際こじ開けたり内外懸命に出そうとアクションしたり等一切行わずただその場で掴まっているだけという騎手よりは数段評価したいと思う。が何事も限度というものがあるので、問題はその度合いだろう。周囲に怪我の危険を惹起させる程のものであれば勿論論外。このレベルであれば制裁点の多さは必死に勝ちに行く騎乗と背中合わせではあるので、その中身をこれからしっかり見ていきたいと考えている。技術的にはかなり高レベルで問題はない

15日の騎乗停止制裁で日本での騎乗は今週のみとなるが、あと1回制裁を受けたら来年の短期免許を取得できなくなるので私は今週は少しおとなしめで切り上げるかと思うがどうだろうか
勿論ギリギリのところでの上記騎乗のような事はなくなるという意味であり、元々持っている能力からしてそのパフォーマンスを大きく下げるというものではない点には注意したい


ムルザバエフ
は初来日にして昨年末ホープフルS・ドゥラエレーデでいきなりのGⅠ制覇
私的には今のところ先のマーカンド以下3人と比べて特段の加点を見出せていないが、どの馬に乗っても前への意識が高いのは見てとれ、それも見た通りの直線の追いに自信があるからこそかなと考えいる
3/7までと期間が少しあるので、ここまでの騎乗で感じた上記を根幹に引き続き見ていきたい

バシュロ私的評価は少し落ちる。騎乗馬のパフォーマンスの顕著な上昇は今のところ見られない。そして直線よくヨレている。先週土曜の1/14に騎乗停止実効4日間の制裁を受けているが、これに限らずそれ以前から馬を真っ直ぐ走らせる事において疑問を持っていた。
2/28まで期間があるが、この騎手に関してはしっかり私評を反映させたいと考えている
※馬質はいいので現在の状況でも数字的な結果は出すように思う。それに見方によってはJRA1乗り難しいともとれる中山競馬場スタートでの評価なので、今後アジャストし結果云々を別として騎乗内容自体が変わって来る可能性も十二分にある

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