それは巷間言われる2歳GⅠを勝利した馬が出走していないという事以上に、私的にはそもそも今年の3歳牡馬世代において高い数値で走破してきた馬が例年よりも少ない点にあると考察する。「朝日杯」は『LT』からレースレベルは高くなく、「ホープフルS」は水準レベルなものの、どちらも”水準を超える”高い数値で走ってきた馬が出ていないわけで、年が明けても重賞戦線の『LT』によるレースレベルは「京成杯」=水準、「きさらぎ賞」=水準稍下、「弥生賞」=水準稍下、「スプリングS」=水準、で唯一「共同通信杯」=水準半枚超、といった態。つまり私的指数からも、高い数値は其々あるものの”抜けて”強い内容で走ってきた馬がいないという状態。そうであるので混戦とされるのも至極当然との感。それでもその中で各馬の序列は存在するし、冒頭の様に”馬券を打つ”楽しみも”ワクワクやドキドキ”といった種の面で例年よりも少し増しているわけで、私的には今年も変わらずクラシック第一冠が非常に楽しみなわけである。※元値数値に関しては、2000m級においてホープフルS前に抜けた数値であったミッキーカプチーノの離脱が少し残念ではある。そのホープフルSは唯一懸念としていた「大外枠から出して行っての外追走先行策で引っ掛かり」を戸崎が遂で全く走れなかったわけだが。能力を喪失する事なくまたターフに戻って来て欲しいものである。
中山は第3回の8日目,Bコースの3週目。
今年の中山芝についてはTwitterで随時述べているが、明日の馬場考察についても木曜日に下添付の様に綴った。現在日曜早朝であるが、特に考察も変わることなくという次第。
皐月賞は近5年で昨年の稍重→良を含めて3回下渋りで行われており、ほとんど毎年の事という感覚であるので馬場のイメージは比較的容易。
今年はなかでも2021年,エフフォーリアの年に稍近いかと考えている。この年は前日土曜が16時以降から雨が降り始め、そのまま日曜早朝まで続き、発表馬場は「重→稍重」であった。コースは「3.4角内直線と内が稍△め、中外伸び○」。勝ったエフフォーリアと2着に粘ったタイトルホルダーのみ3.4角で内を通り、他は軒並み外回しの馬で上位が占められた。つまり相対的には明らかに外伸び○で内は伸び△だったが、力が抜けていれば内からでも何とか勝負になる位の馬場だった。
今年は2021年よりもおそらく雨量は多い。更に内が荒れるとなるのが通例だが、上添付のように今年の中山芝はかなり最良の状態であり、その分を相殺して概ね2021年の馬場に近い感じになるかとみている。
総括すると『基本的には内△で中外伸び○』、『重馬場適性◎かつパワー型◎で力が上であれば3.4角内からでも勝負には加われる』といったイメージ。
展開
今年は前へ行きたい馬が多い。明確なハナ希望でグラニット、直後,もしかしたらハナもあり得るという馬にトップナイフ、ホウオウビスケッツ、そしておそらく今回は内枠から行く気であろうグリューネグリーン、これらに続いて同様内枠からショウナンバシットに、外枠からタッチウッドーこの馬に関してはもしかしたら豊騎乗で外めから稍控えめの可能性も案外にあるのではとも、豊でも御せなかったらまたかかり気味にハナ辺りだがー。
特にグラニットは2走前京成杯でのS逃げを反省してだろう前走スプリングSは超寄りのHは『LT』から「後2.75」ものラップで逃げた。元々2歳時サウジアラビアロイヤルCでも大逃げのHは「後2」の競馬であり、今回も目一杯飛ばす公算が高い。
まずHだろう。重馬場時の私的Track指数を掛け合わせた想定『LT』は「後2~3」の差し競馬を予想している。
「後3」近くにまでなると、前の馬はほぼ厳しい。前で競馬する馬で上位入線となると余程の重馬場適性と「高い元値数値」が求められる。面子中の相対差において、先述の2021年タイトルホルダーの様な元値レベルの馬ならといったイメージ。
基本線は『中団~後方の位置取りから、馬群中~外めを3.4角捲り気味に上がって行く馬』である。
当然の事、枠順も非常に重要になってくる。
◎フリームファクシ
○ファントムシーフ
▲タスティエーラ
/
注+ベラジオオペラ
注+ソールオリエンス
/
△+マイネルラウレア
△+タッチウッド
△シャザーン
◎○▲と順位付けたが馬券としては同列様に3頭其々頭の形を組む。
私の場合この印の付け方によるこれまでの3連系の買目ー注印を2列目に置く形ーだと点数が私的許容を超えてしまうので、今回は注印を2列目に置くのは3連単のみとしたい。
それでも3連複は16点にもなり、通例6点程で多くても10点、印ばらけて抑え入れて多くなった場合でも最大15点までというのを超えてしまうが、今回はオッズを見ると16点でも通例以上の返しがあり可とする。
3連単も普段は6点~10点、多くても20点までの所を上回るが、これも今回は返しが大きい。◎○▲の買目は金額を×3,4位にして色を付けて対応する。
それらが増えた分、馬連は3点に厚く張る。注印は買う予定はないが直近のオッズで元返しに耐えうるというのであれば考える。
まずもって共同通信杯と弥生賞の回顧記事があったので以下に。これらの元値評価は変わらずベースとなっている。
【GⅢ 共同通信杯】回顧・検証~クラシックへ向けて – 競馬考究記 / Steppenwolf (keiba-kokyuki.com)
【弥生賞】回顧・検証~クラシックへ向けて – 競馬考究記 / Steppenwolf (keiba-kokyuki.com)
◎ フリームファクシ
これまで新馬戦以降の3戦全て川田で完全に引っ掛かっての競馬で尚水準前後の数値を出している馬。
木曜日にTwitterで少し述べたが、やはり本来のMax元値は最上位1.2という私的評価に、『レーン騎乗』で今回はそれを余すことなく発揮するという予想から◎印に。
私の競馬論であるが「引っ掛かる馬は、下が渋ると普段よりもボコボコした下に気を向ける分、かかりがマシになる」というものがある。気性面で今回の稍重,重はこの馬には良いと考える。また、身体面でも父ルーラーシップで重馬場は寧ろ◎と見ている。
それでいて『レーン』。今回は初めてマトモに折合った本来のこの馬の走りが見られるのではと期待している。
展開面でもこれまで前めに付ける競馬をしてきているが、今回の面子なら好スタートでも自然と中団前辺りになるだろう。向う正面で馬群中から稍外めに出してという競馬を想定する。
追記
土曜Twitterにあるように追切りでのヤンチャな面もまたこの馬の魅力である。
○ ファントムシーフ
この馬の元値評は『共同通信杯の回顧』の通り。
ホープフルSは0.2差も『LT』から勝ち馬より「0.125差」の元値。新馬戦、2戦目「野路菊S」は共に水準半枚超え。それらから『福永→ルメール』で想定通りに共同通信杯で1段数値を上げてきた。そして今回のデキはそこから僅かだが更に上昇の過去イチ・最高潮のもの。
また、ホープフルS→共同通信杯でのヤネ替わりでの上昇幅は、私的想定よりも稍低く、その点は『距離と馬場』と考えている。『1800よりも2000がベスト』、万能だがどちらかと言えば稍パワー型で『東京より中山の方が◎』と、今回が自身ベストに近い条件との見立て。
父ハービンジャーで重馬場もまず得意。
過去走の元値数値からは当然◎を上回る。
▲ タスティエーラ
共同通信杯は上リンクの通りであるが、『LT』実数値としては勝ち馬ファントムシーフから「0.15差」。1段弱明確に下ではある。また新馬戦の数値もそこで5番人気と下であったタッチウッド(当時○印)よりも下の水準半枚超え。そして弥生賞も冒頭の様にレースレベルは水準稍下。が逆転出来ない位の大き過ぎる差というまででもない。
更に共同通信杯は超抜だったが、弥生賞はそこから3wでの競馬で追切り,調整から私的見立ては9.3程と落ち。で今回は稍上昇の超抜に近い位まで上げてきた。
それでも元値はまだ少し足らない計算になるが、まず1点目に、『馬場』の項で述べたTrackバイアスから外め枠が良いこと。
2点目に2,3走目に控える競馬をして来ており、特に前走弥生賞はその控える競馬で結果を出していること。今回も外め枠から中団外めに付ける私的想定バイアスからは◎の位置取りとの見立て。
そして3点目、おそらくだが私的経験上、走法・血統からこの馬は『重の鬼』ではないだろうかと。
特に3点目は今回の馬場では大きなアドバンテージになり少しの元値差も覆せるのではないかとの結。
注+ベラジオオペラ
この馬も木曜日Twitterから寸評を。
元値に関してはタスティエーラとほぼ同値くらい。
がデキに関しては今回、前走スプリングSから↑の急上昇でほぼ超抜近くまで戻してきた。前走よりもう1段パフォーマンスを上げてくる。
それに外め枠から中団外追走で、前走同様に重馬場◎であれば馬券内の元値に換算できるとの考。
注+ソールオリエンス
実は今回の面子で過去最も高い数値で走ってきたのはこの馬。新馬戦は水準半枚超えで、前走京成杯は1枚超えの強い内容。
良馬場であれば本命に考えていた。いや、馬場自体は力のいる馬場も重自体もOKと見ているが、最内枠が旨くない。上述想定ラップから稍縦長想定で、そこまで苦労する事なく外めに出せる可能性もあるが、それは全馬考えている事であり、やはり相対的にはこの枠はマイナス。仮に全く外めに出せずにずっと内ラチという事になれば2桁着順もあるが、逆に労せず外めなら突き抜けもあるとの見解。
また、今回の山元トレーニングセンター帰り13wも決してベストとは言えない。Max近く走れる可能性もあるが、少なくとも間違いなくMaxのデキとはいかない。次のダービーが本命と考えるのが自然な流れ。
それでも、この面子で最高値の元値とした様に、それらのマイナスがあっても尚頭という事も勿論ある。2021年のように荒れた3.4角内ラチを通りながら尚突き抜けたエフフォーリアのように。武史の騎乗振りも注視したい。
△+マイネルラウレアは、新馬戦が水準1枚+0.25の非常に強い内容。前走はSの「前2.5」で水準値だが、それはこの馬には瞬発力勝負が向いてない為。それでもあのSを直線最後方からで2着ワンダイレクトとは0.0ハナ差も『LT』からは明確に1段上の内容。ここでも最上位圏に入ってくる元値を出してきているが、それでも内容を精査すると、『2000mでもまだ短い』程のズブイ馬。要は早い脚がない。2000mだとGⅠではスピード負けするとの見立て。
が、今回は重・稍重想定。この馬の特性にも、父ゴールドシップからもおあつらえ向きの条件。スピードや切れでは最上位圏の馬には相対的に劣るかもしれないが、今回の条件ならば仮に「後3」近くまでのHになれば外からゴール前上位争いに加わってきていい。
△+タッチウッドは、共同通信杯でも○印とし、5番人気ではあったが新馬戦の内容から非常に評価の高かった馬。ここも元値からは▲印以上が妥当との見立てだったが、中団でなくとも稍控え気味の競馬が出来るかどうかと、前走12w叩いて下降はないが上昇もないデキとで、順番としてこの位置とした次第。
仮に豊替わりで外めの好位辺り(先行番手ではなく好位)をスムーズに追走出来るとなれば、当初の元値評価の通りに上位争いもある。
△シャザーンは、新馬戦が水準稍下から、2戦目未勝利戦が水準1枚超えの強い内容、前走すみれSも水準半枚超えの内容と元値は高い。そしてデキも前走から僅かではあるが更に上昇で、本来なら注印以上を打っている馬。
今回△印でこの順番としたのは、2戦目重馬場で水準1枚超えの強い内容ではあるが、本質的には重馬場はOK問題ないにせよ大得意とまでではないとの見立てである事ー上記の馬たちよりは相対的に適性差は劣るという意味ーと、こちらのが大きいが中山の望来である点から。
他、今回は印を回さなかったが外め枠ならウインオーディンは3連系で狙っていた馬で、仮にグラニットがいなく稍Hまでに収まる想定であったのならホウオウビスケッツも注印以上を考えていた。オッズ様にやはり混戦という事でもある。
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