【弥生賞】回顧・検証~クラシックへ向けて

馬場私観ー第2回中山4日目/Aコース2週目

中山は週中木曜0.5ミリ降雨のみで土日共に良馬場、天候による影響はなし。
土曜深夜にTwitterで予想を上げた際「中山の馬場は先週と比べて0.5程早くなっていた」と述べたが、実際JRA発表のクッション値は先週土日が9.9→10.0から今週は10.2-10.0と推移しており、土曜に関しては数字上も正着であったと考える。日曜は天候が曇りであり、その分前日と比べて若干季節柄の乾燥が緩んだかなとの印象だが、時計の出かたや前後の位置取りバイアス差から日曜も馬場差換算上は土曜と同等のTrack指数とした。

またJRAのHP『芝の状態』の項には下記の記載
3コーナー・4コーナーから正面直線の内側に傷みが出始めましたが、その他の箇所は概ね良好な状態です。
まだ実際に数値上明確な差として出る程に内の傷みはない。引き続き直線の伸びは内外互角の結

 

ラップ~『LT』(=Laptime×Track指数)

LAP 12.3-11.2-12.4-12.6-12.5-12.3-12.1-11.6-11.5-11.9

中山2000m内回りで前半35.9-後半35.0、中盤に12.6-12.5-12.3と緩いラップを挟んだ『Sh』の型
先項Track指数を掛け合わせた『LT』(=Lap×Track指数)『前1』で稍前の位置取りの馬が有利
※スローではあるが、『LT』からは平均から1段階スローに寄ったものとイメージすると的確

 

私の場合一律で「1馬身≒0.18秒」で全ての元値評価を行っている
※昔からあるJRAによるハンデ戦における方法論ー1キロ≒1馬身≒0.2秒を参考に、長年の私的考察と改良で現在は上記「1馬身≒0.18」を採っている

 

 

各馬評

土曜深夜にTwitterに上げた私の予想を踏まえて各馬評に移る。

Steppenwolf (@kouyanookami) on X
#弥生賞 ◎トップ ○レヴォル ▲タスティ / 注⑦ △⑤⑩② 昨日のブログで中山1週目の馬場について述べたが、2週目土曜中山は結論から述べると+0.5程早くなっていた 実際JRA発表値のクッション値も10.2と先週から上昇 GⅠ含む春開催に向けて野芝成長に沿うように手を入れてきたよう。注意されたし

 

タスティエーラ 1着

道中は先後後~中前前辺りの4,3番手の外を追走。新馬戦は出していって逃げ馬に並び掛けるような格好の2番手からだったが、前走は好スタートも敢えて控える競馬をしておりそれが活きた形。
前記『前1』に2着馬の「3-2-3-4」位置取りを掛け合わせれば、0.2差通りの元値評価となる。ひとまず完勝。

ただ、当日の中山のTrack指数から35.9-35.0のラスト11.6-11.5-11.9は『LT』からの私的見立ては水準よりも”少し下の内容。クラシックの前哨戦という位置付けのレースということを鑑みれば、この点は決して小さくない件・結となるが、少頭数で更に逃げ馬を突つく馬がおらずとペースが上がり辛いレースであった事も確かでこのペース→「前1」の型では水準より少し下となったが、本番のペースがどうなるかは分からぬが仮にH寄りになればまた今回よりもパフォーマンスを上げる馬も出てくるかとは考える。

それに、この馬に関しては前走が超抜のデキからの3wで『↘◎』、十分なデキではあるが前走牝では↘でデキ落ち,良くて9.3程。前走のデキを維持していたならば「水準」をマークしていたとの見立て。
それでも前走より着順が上がっているのは面子レベルもあるし、何より自身の適性に因るところが大きいと考える。
この馬は父と自身特性から1800よりも2000以上、東京よりも中山等の稍パワー型が活きる競馬場向きとの見立てで、それが反映されたものと。

本番はまた少し間隔があくので前走の超抜様にデキを上あげてくるならパフォーマンスの上昇から楽しみもあるとみている。

 

トップナイフ 2着

道中先3内の位置取りは先述の通りに勝ち馬とは0.2差ままの元値評価となる。が、今回は幾つか瑕疵あり。まず、好スタートで楽ハナかというところから、ゴッドファーザーが主張した為抑えると首を振ってかなり嫌がり、そのまま1角侵入から向う正面半ばまで『引っ掛かり△』。まずこの点だけで0.2差分は相殺できる評価となる。続いて4角全馬仕掛けてペースが上がっているところで直ぐ前の既に手応えがない感じの逃げ馬が壁になり、少しだが追い出し遅れ。かかりにこの点も併せれば元値評価自体は互角以上とも採れる。
※前記のように勝ち馬もまだデキ上昇があれば、パフォーマンス上昇の可能性はあるとみているが
そもそも前走の好パフォーマンスは逃げの型でのもの。いや、逃げれなかったから”かかったとも言えるか。今回はこの馬の私的元値評価よりも1段下であったが、上述2点から元値通りに走れていないことは明らかで本番は特に評価を下げる必要はないかと考える。勿論、やはり出来れば逃げたいわけで、面子と枠順次第でまた自身の最高パフォーマンスが出せないことも考慮する必要はありそう。

 

ワンダイレクト 3着

道中中団6番手外追走から直線脚を伸ばし0.2差。『LT』前1から実際の元値評価は、勝ち馬からは0.15、2着馬とは0.0首差だがそれより0.05差分上の評価となる。
この馬は新馬戦が水準レベル(特に秀でているわけではない)、前走がかかり気味からの『LT』勝ち馬から1枚落ちとこの面子での私的元値評価は高くなかったが、『前走から↑◎!!の超抜のデキ』+『ルメール替わりでの上昇』でどれ位パフォーマンスを上げてくるか次第とみていた。
結果は上記の通りで、超抜+ルメールでの上昇幅が想定以上だった。但し、1.2着馬が其々元値Maxで走れていない点は考慮する必要はある。また先程このレース自体が水準より少し下と述べたが、それを踏まえて4着以下の馬の元値も考慮してこの着順を評価すべきかとは考える。それでも実際に『LT』からは今回は2着馬より僅かに上の内容であり、この馬の本来の元値の高さを見せた。

前走「若駒S」が超スローの「前2.5」でデムーロがかかり気味での結果であったが、今走『前1』位なら2000mも問題ないとなったのは収穫。いやルメールが大きいか。

ここ2年位は偶にかかる事も見られるが、4.5年前までの全盛期のルメールのストロングポイントといえばこの『折合い』であった。他のどの騎手が乗ってもダメでかかる馬もルメールが乗ればピタリ魔法のように折合う、逃げから最後方追込みまで自由自在の騎乗。
他の上位騎手ではごく普通の事「偶にかかる事がある」、この点でさえルメールにとっては自身の相対比では明らかに全盛期からの翳りとなるが、それでも他の騎手と比すれば未だ先を往く。

 

アームブランシュ 4着

最後方10番手から3角馬群中外程を捲り気味に押上げ、ラスト3f最速で勝ち馬から0.2差、2.3着とはクビ,クビ差。『LT』から実質元値評価は勝ち馬から0.1差強で今回勝ち馬に次いで2番目の内容
これは少し驚いた。前走から『↗◎!!過去イチの超抜のデキ』で少し気に掛けてはいたが、それにしてもこの面子でこの内容とは。
前走は今回↗デキからもこの馬自身としてはデキが未だだったとするべきか。1.2戦目は左回りが△の可能性もあるが、それよりも共に「超Sでの競馬」で瞬発力勝負がマイナスだったのだろう。今回『前1』位なら問題なく自身の元値出せたとの見解。中山等稍力のいる馬場が◎というのもあるか。ただ未勝利勝ちも水準,並レベルであり、↗の超抜過去イチのデキとしてもこれだけ走れるとは想像外であった。
ともあれ、これがこの馬の本来の元値ということになる。
賞金から本番の出走はなさそうだが(この後またトライアル出る可能性もあるかもしれないが)、仮に昨年様に流れて「後1」+「内可位の中外伸び○めの馬場」という自身最適条件であったなら掲示板以上に注意を払いたい位の内容。今後も◎条件ならば注意したい馬。

 

フォトンブルー 5着

道中最後方2から直線入り時は最後方で0.4差。前1から実質元値評価は勝ち馬から0.3差強程。勝ち負け圏には少し足らないが、そう大きく負けているわけではない。
道中最後方2であったが、前1の流れを見て最後方のアームブランシュ,吉田豊が3角から踏んで行った為、この馬が直線入り時には最後方となったのだが、展開上騎手の判断の差が着差にも少し出た形。ラスト3f最速2の脚で伸びているが、直線に入ってからの脚自体はアームブランシュとほぼ同等のものだった。つまり踏み遅れなく同じような競馬をしていれば0.2差とは言わないが、もう0.1差は詰まっていたと見ている。しかし、戸崎にしても特にミスをしているわけではなく、先週の吉田豊は他のレースを見ていても明らかに”乗れていた。気分良く好調子で乗れていたのはパンサラッサ効果であろうか、どうだろう。

最低10番人気ではあったが、この馬は新馬戦の内容が「水準超え」の強い内容であり、2走目は重馬場だが実質※特殊馬場の内×を内からで度外視、前走3走目はスタート直後ヨラれ大きめ出遅れからレースはSの「前1.5」でヤネが道中ポジション上げの無理な競馬でこれも度外視、今走はしがらきの12wで新馬戦の元値評価からはこの面子では展開次第では上位圏内もあり得るとの△印の1番手、全体で5番手評価としていた。上述今走評価から、その分は走ってきたと考える。

 

レヴォルタード 6着

中団5,6番手の内から勝ち馬から0.4差。前走様に番手、いや1枠を引いたので逃げを見込んでの○印であったのだが、スタート少しヨレて行脚が付かず外のトップナイフが直ぐ前へ行ったので追う事もせず即諦め、そうこうしているうちに外からどんどん前に行かれて中団から。
前走未勝利勝ちは『LT』から「水準超え」の強い内容で、同様に少なくとも番手からならもっとやれていたとの見立て。内で揉まれる形の中団追走の「前1」と良くない競馬であったが、それでも直はじりじりと伸びて0.4差ならひとまず前走評通りの元値は見せたかと思う。改めて。

 


他10着ゴッドファーザーは今回34wの競馬であったが、結果的には度外視。
前走未勝利勝ちの土曜福島1800mは前日金曜小雨から当日も午前中小雨で良馬場だが稍時計かかる馬場を35.9-36.5のHは私的『LT』から「後2」で厳しい流れだったが、それを逃げてラスト11.9-12.2-12.4は「水準を2枚超え」の非常に強い内容。今回34wは追切りは芝追い(この点で既にマイナスだが)ではあるが数字的には素晴らしいもので、ひょっとしたらの感はあった。が、私的元値評価からは上述様に結果的には度外視で。

もう1点、この馬は初戦ヤネが抑えて2番手から”かかり気味で3着に負けている。次いで2戦目が未勝利勝ちとなるのだが、ここはその点を踏まえてか逃げさせて強い内容、それでもハナに立ってからでさえも若干かかり気味だった。共に1800mでの競馬。今走は2000mであったが34wでまだ気が入っておらず折合えたとする見方も可と考える。つまり距離が少し長いのではないかということ。私的には次走は距離を縮めてのパフォーマンスを見たいところ。

初戦から引っ掛かるような馬は経験上かなりキツイ。新馬戦は初めての事もあり、ほとんど多くの馬が走ることに気が入らず所謂物見をしながらゆったりめに回ってきて最後だけ追って競馬を覚えさせるのだが、その初戦でエキサイトしてかかるような馬はもう本質的にそういう気性の馬ということがほとんどである。大体が距離はそれより短くするべきだし、同様の距離を使っていくならかなり苦労することになる。以後の矯正、成長は騎手の腕と厩舎力が大きく関わってくる。

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