【GⅠ NHKマイルC】予想 /2023


執筆時現在における単勝1番人気のオッズは5倍強、以下上位6頭までが1桁台。オッズ割れの要因は、各馬の元値近接・降雨による馬場悪化・逃げ馬複数による不鮮明な展開といったところか。

ともあれ今年のNHKマイルは、私的にはとりわけ馬券面での楽しみが大きな1戦となった次第。
馬場

【第2回東京,開催3週目Aコース3】
予報では日曜深夜から断続的な小雨があり、正午辺りからまとまった降雨となっていたが、10時現在でまだ雨はない。この後予報通りの降り始めとなった際の馬場は、『稍重の私的Track指数ーマイルMsm』を想定
昨日土曜の馬場は『マイルMm』で、これは1週目~2週目と全く同様の馬場。初日から+-変動なく「超高速・稍強め」の芝。そこから0.5だけ遅くなる馬場。少なくとも時計的にはそこまで大きく遅くなる程には馬場の傷み自体は進行しないとみている。
それでも昨日までと比べると、”稍”パワー型の台頭も可能となり傾向は少し変わってくる。
また直線の内外の伸びについても、現在の”最良の芝”状態の東京であれば通例よりも内の傷みはかなり軽減されるものと考える。
それで概ね、平均ペースの完全”前後互角”において『直線は内は可位、中○、外稍○め』といったところだろう。少しだがアドバンテージは直線中ほどにあるのは注意したい。同時にずっと内ラチを通るのは相対的には稍キツめ。
ただ、このレースに関しては直線の内外の伸び以上にペースによる前後の位置取りバイアス差の方がより大きく着順に影響を及ぼすと考えられ、短絡的な視覚による内外伸びの錯誤には気を付けたいところ。

※1週目の馬場考察『マイルMm』については以前記事にしてあるので下記より

【馬場私観】京都・東京・福島 ~4/22 土曜競馬を終えて/2023
【京都】芝 新京都ー第1回はAコース1週目 金曜日にTwitterで少し京都の馬場について展望を述べた。 土曜のTrack指数を計算したと...

 

展開 

逃げ馬が複数。フロムダスク、オールパルフェ、ユリーシャの3頭はいずれもハナ固執型で、逃げ番手型にドルチェモア、逃げ馬直後型にショーモン、セッション。更に番手型にエエヤン、番手or好位に距離延長のタマモブラックタイ。
上記の内エエヤン以外は全馬スタートが速く、スタ直後から速いラップがそのまま継続していく型。どう考えても早い。いや、早いどころか超Hの激流必至だろう。
それでいて舞台は東京のマイル。前の馬はほぼ無理といったラップになるとみる。
が、上に挙げた馬だけで既に8頭にもなるので、その内何頭かは6.7番手でも先後後、いや中団前辺りの位置に収まる形となり、「(前に行けなくても)その位置で折合えるなら」超Hの流れでも直線中ほどから好位差しという競馬は可能かと考える。該当馬においてはそこからは元値次第。
いずれアドバンテージがあるのは中団より後方の馬。
先頁の馬場考察も合わせれば、中団~後方の位置取りから、直線中がベストポジション。

◎ カルロヴェローチェ
○ モリアーナ
▲ ナヴォーナ
注 ダノンタッチダウン
/
△+シングザットソング
△ シャンパンカラー
△ ドルチェモア

馬券は◎軸で馬連から3連複、3連単まで。
勝負どころは3連単。
配当が大きい分○▲からの馬券も少し抑える。

各馬評

◎ カルロベローチェ
ソエ、かつ距離の長かった2戦目を除く1,3,4戦の全てで水準1枚抜けの高い数値を記録し、今回の面子では元値は最上位。
過去走の元値に関しては僅差で続くドルチェモア、エエヤンが其々瑕疵ありという事でこの馬を本命とする。

ただその3戦全てで「かかり△」の馬。その内訳を見ていく。
まず初戦は1800mの阪神外回りでルメール騎乗、スタート後向う正面で馬群中で少し嫌がりかかり△め、その後3角で外被せに遭いはっきり嫌がりかかり△。それでも直線は鞭なしで軽く追っただけで先述の通り水準1枚抜けの強い内容。
2戦目は中京2000mでこれもルメール騎乗。ここは前走引っ掛かっているにも関わらず距離を伸ばしたのだが、先2で『折合い○』。ただレース後「ソエ」と発表があり、”痛い所があり目一杯走ってない故に引っ掛からなかった”という可能性もある。
続いて3戦目はマイルに距離短縮だが福永騎乗でかかり△。スタート直ぐからかなり嫌がり抑え切れずハナに行かせた格好も、それでもかかった状態だった。ただその状態で数値的に水準を1枚超える強い競馬。
そして前走4戦目は更に距離短縮の1400m。豊騎乗も、馬群中で明確にかかり△。ここも同様に水準1枚抜けの強い内容。

本来であれば前走から200m延びるだけでも×、更に東京となると尚不味い。
しかし前記から3,4戦目の福永、豊騎乗時の酷い引っ掛かりよりも、1,2戦目の1800,2000mでもルメール騎乗時は比較的マシな点は見逃せない。ルメールと言えばJRAで図抜けて折合いに秀でる騎手。対して福永は折合いが巧いとは言えない騎手、豊も年齢的に近年は気性が酷過ぎる馬は度々折合いを欠く。
つまり、ルメールであればマイル時は折合えていたのではないかというのが私的考察。

そこに来て、今回の鞍上はレーン。
元より引っ掛かった上で水準を超える強い内容で走ってきた馬。レーンならばピタリ折合うとまでは行かないにせよ、ガッチリ抑え込んで最小限のロスに軽減させ、過去イチの数値を出してくる。

外め枠も上述馬場の面でも良いが、それ以上にこの馬の場合には内で囲まれるよりも大きくプラス。

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○ モリアーナ
前走「ニュージーランドT」4着は『LT』より勝ち馬から1.5枚下の数値。が2着馬とは同値(※3着馬より0.05下)、勝ち馬には完敗の格好だが該レースにおいては中山適正と稍重適正の相対差もあった。「後3」の超気味のHを中団からだったが、その流れを早仕掛けの4角捲りで乗り△。仮にあそこを我慢して2着馬のように直線勝負なら勝っていた算段。
2走前「クイーンC」3着は同様に勝ち馬から0.5枚下。ここも「後2」のHで、後12からの競馬は前で競馬した2着馬にも、好位からの勝ち馬にも着差以上に劣る内容。が私的考察ではここは馬体重474は未だ太め残りの1戦だった。
3走前阪神JFも前走から+12の476は太めで度外視。
2戦目の「コスモス賞」は水準=標準レベルだが、『LT』から「前後互角」の流れを2着ドゥアイズに0.3差の着差通りに完勝。相手は結果的に未だデキが途上であったのだが、この馬も「互角」の流れをラスト12.6と明確に失速しており『距離が長い△』の競馬であった。
新馬戦は東京マイル。ここは「前6」と超絶Sではあったが、0.5差の着差以上の水準1枚超えの強い内容。
以上より、ここ3戦はこの馬の元値を出せていないレースが続いている状況。新馬戦で見せた数値であれば、少なくとも1,2走前は共に勝っている。
陣営も私と同じような焦燥を感じていたのだろうか、今回はヤネを典に替えてきた。これだけでも前任と比すれば過去走からのパフォーマンスの上昇は確実。更にそれに呼応するかのように少しだが更にデキを上げる勝負仕上げは過去イチの超抜。
2番枠は巧くないのだが、ここなら腹を決めて後方からか。直線内を付かず中外めからなら、超Hを利して脚を伸ばす。


▲ ナヴォーナ
新馬戦は『LT』より水準1枚超えの強い内容。この数値であれば前走は普通に勝ち負け圏だが、重馬場で脚を伸ばせず。また、しがらきの10wではあったが+12も稍太めだった。
そこを叩いて、調教後馬体重発表の480からも今回はまずマイナス発表。デキは大きく変わっていないのと、3wでの東上でもしかしたら走れないという可能性はあるにはある。が元値数値からは、この面子であれば中団後方からの競馬であれば十分に上位圏に顔を出せるとの見立て。

注 ダノンタッチダウン
初戦、2戦目が水準の半枚超えの数値。明確に1枚超えの強い内容ではないが上位圏の1頭の数値は持っている。3戦目朝日杯は「後2.5」のHで先3の勝ち馬には0.1の着差以上に劣る内容だが、今回は超H見立て。終いの脚自体はある、大外枠から後方ゆったりの直線勝負で上位を窺う。
懸念は雨量。稍重程度に収まる位なら現在の東京ならと考える。


△+シングザットソングは新馬戦が1枚超えの強い内容。
2戦は大きめの出遅れ+直線最後稍詰まりで止めで、なければ勝っていた競馬。
3戦目「エルフィンS」は「前2.5」Sをまたも稍大きめの出遅れから最後方と無理な位置も、次位コナコーストが詰まり△で下手乗りしたからではあるが、それよりも上の内容の抜けた上がり数値。
続くフィリーズレビューは好スタートから「後2.5」を好位からでしっかりと着差以上の楽勝。
前走桜花賞は望来替りで出して行くも「後0.75」の流れで最後バテた格好。
隼人戻りの後方構えならここでも馬券内の元値はある。

△シャンパンカラーは新馬戦が半枚超えの上々強い内容。東京替りは良いとみる。前走から内田に替わっているが、戸崎程好スタートにならないのも今回の展開では良い。欲なく直線まで我慢なら直線中ほどを伸びてきていい。
△ドルチェモアはダノンタッチダウンの項にも書いたが「朝日杯」は着差以上に上の強い内容。ここも元値数値から最上位圏の1頭。
前走は「後3」の超気味Hを逃げで無理。しかも3.4角内稍△めのとこを逃げたので必然的に通り更にマイナス。止まるのが順当の競馬であった。少しだがそこを叩いて型通り上昇。
が今回は他に速い馬がいるので逃げはないだろうが、いずれ前めでの競馬ということで少し下げた。仮に中団前辺りまで下げて尚折合いOKで直線脚を伸ばせるというのであれば印以上も見込む。

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