【GⅠ マイルCS】回顧・寸評

『LT』=Lap Time×Track指数
LAP 12.5-10.5-11.3-12.2-11.7-11.6-11.5-11.2

予想記事に綴った想定馬場でほぼピタリ。

【GⅠ マイルCS】予想
馬場 【京都,開催7週目Cコース1】 今週からCコース。土曜の京都は、金曜15ミリに土曜は早朝まで小雨0.5ミリで重→稍重と推移。 先週日曜後半は...

Track指数は『外回りマイルでMs』
直線の伸びに関しては『内可位、稍中外伸び○』、と言いたい所だが当日全レース精査検証後、後半Rは
『内稍△め、中外伸び○!』

京都の馬場はこれまでの記事やX,ポストで述べているように緩めの稍力のいる馬場で、金曜の雨で土曜は稍重、日曜は稍重→良と推移。
日曜は通例通り1日の内でも後半へ行く程馬場の傷みは顕著に進行し、最終的には直線の伸びは『内稍△め、中外伸び○!』へ。

土曜から”稍中外伸び○”の結果だったが、日曜は更に進んで『内回りの超S』以外、前位置≒内めからの馬は大きく数値を落としている。

当然の如くマイルCSも、ソウルラッシュ唯1頭を除いて9着までが全て直線は中よりも外からの馬
10着は9着から0.7差と大きく開いており、その10着以下は全て内めを通った馬と、予想における私的Track指数と直線の伸びで述べた点で、非常に分かりやすい結果となった。

予想記事においても、直線は外からの馬のアドを採り、内枠は稍軽視ではあったが、それは『内可位、稍中外伸び○』としていた分。実際の結果は”更に外からの馬に有利”なものとなり、その点想定より少し上の外伸びであった。
端的に言えば『稍中外伸び○では済まなかったということ』。

直線の伸びに関しては以上。
LTについてだが、上記LAP(34.3-34.3≒Mm)とTrack指数『外回りマイルMs』を掛け合わせると、LT『後1』となる。
H。HではあるがHの1段階め。
私の『LT理論』からは『時計1.0,H寄り』で諸々計算してレースレベルと各馬元値≒レーティング、を出して行くのだが、字面で言うと『稍H』で良い。

前が全部止まって後方馬で占められるという程のHでもなく、先頭の逃げ馬でも元値の高い馬であれば問題なく後方馬とやり合える位のものである。
しかし上旬のように結果は”外からの中後~後方”が占めた。

何故かというと、LT『後1』『内稍△め、中外伸び○!』が加わった為である。
走破時計を見れば分かると思うが、1.32.5というのは早めの数字である。本来ならこの数字が出る馬場であればTrack指数は『外回りマイルでMsm~Mm近く』となる。
それを上記のように『外回りマイルでMs』と0.5~1.0分も数値を落としているのは、この外伸び○!の分を補正しているわけである。
つまり逆算の思考で言えば、位置バイアスとしては『後1』だが、『内稍△め、中外伸び○!』加わった分、つまり後方外にアドが増した分、実質的には『後2』=H,2に値する『後方有利』だったという結になる。

勿論、私的レーティング=各馬元値は『後1』に内外差の数値補正を獲って全て割り出している。
少し話しが逸れるが、毎週全レース視てTrack指数を出して、9R以降全て+新馬戦,2歳未勝利をこのような感じでLTを出し、そこからそれらのレース動画をスタートからゴールまで各馬つぶさに見て、LTを当てはめ元値=数値を出すという作業をしているので、3場開催は全く時間が足りない。

木曜日には出走想定表が出るのでそれを元に”あたりの簡易印”を付けてそこから買いレースを選定するが、その作業に3~4時間かかるので、本来は『レース検証,各馬元値等、所謂復習』は水曜で終えたいのだが3場開催は時間的にほとんど無理筋、今回も現時点で未だ各馬元値に関してだけは未だ1割も追えてない。
ブログ更新が少ないのは、実は遅筆だからと言うわけではなく、こういう理由があるのである(言い訳だが実際時間もないです)。

でありながら今回書いているのは、来週から2場開催となるから。今週分の検証等は、+今週末分で来週一杯かかるものの、予想も今週末の検証も全てがこれまでの2/3の作業量になるので実際のところかなり気分が高揚しているわけである。「ええい、もう来週から2/3になるから今週分は来週に回してしまえ」という塩梅である。
予想も2場開催で2/3になると、1レースあたりもよりじっくり時間かけて取り組む事が出来て明確に返しは良くなる。素晴らしい。年中、2場開催にして欲しいと長く昔から思っている。
と、だいぶ話しが逸れたが、2場開催の歓喜で高揚も手伝い偶にはまあと思う次第である。悪しからず。

展開について1点言及しておく必要があった。
予想記事で”ペースは落ち着き”『前0.5~前1.5』Sとしたが、実際セルバーグがポンと出て1fで完全にハナの態であったが、逃げもあるとしたバスラットではあるがまさか出遅れながら押しまくって”400m過ぎてからハナを採る”とは全く理外の理であった。

記事にも書いたが、鮫島克はそういうタイプのヤネではなく、あのスタートと行脚なら控えるのが常道。400m過ぎてからの無理矢理のハナがなければ、予想記事の想定通りまずSであったろう。
あれだけ強引に行くとなると、矢作氏から絶対にハナに行けという指令があったのは間違いないだろう。
まあ、それでも『後1』の数値であれば、想定を少し上回った「外伸び」の分で予想上、LT数値からもほぼ相殺近くになるのではあるが。
前に行った馬は軒並みきつくなったのと、ハナ強引に叩かれたセルバーグは可哀想だったかなと。

各馬評
今回から少し趣向を変えて、『元値=私的レーティング』を馬名の横に付したいと思う。
一般的な100だとか120だとかいった数字に換算する前の、時計・着差の数値であるので注意されたい。この数値に各々指数を掛けて一般的な数値に直していると思われるが、私はいつも『素の数値』のが比較がしやすいのと、元々外に向けたものではないので全てを換算する習慣がないのと、あとはシンプルに手数が面倒であるという理由でそのまま付すこととする。(ごめんなさい)
いつもブログやXで水準値より+0.2かなり強い内容、だとか言っている例のアレである。

・勝ち馬が水準値0を超えており、レースレベルは高い。
1着・ナミュール (+0.07)
+0.07で強い内容である。
『後1』Hと『外伸び○!』と恵まれた分は大きいが、それでも実数値の「+0.07」自体が高い数値で強い内容と言っていい。
予想記事の印は△-印。前日に打った印なので乗り替わり前のムーアでこの評価だったのが、その理由はデキ。
1週前速めの時計だったが、これまでの超抜時と比べれば少し緩めであった。そして当週追切りに至っては明らかに過去比で緩い。1,2週併せてどう考えてもデキ落ちの態で、私的評価は『デキ9.5程』。いや、十分走れるデキではあるが、前走は勿論過去比でも超抜よりは1段落ちで、今回GⅠでどうかとしたわけ。
ヴィクトリアマイルや安田記念の記事でも書いているように、この馬は休み明けこそ『◎!!』ベストの馬、今回も2戦目でまたデキ落ちで数値落とすと見ていた。
が結果は水準値を超える数値で、過去イチのパフォ。
上述様に恵まれた分もあるが、それだけで出せる数値ではない。
ブログを始める前の事で、この馬は2歳時から秋華賞,エリザベス女王杯とツイッター・Xで結構細かく呟いてきているが、やはり特性として今回の『マイルMs』の『緩めで稍力のいる馬場がベスト◎!』これが近走比では大きい。
近走ずっと東京の『Mm』等の超高速が続いていた。1年振り位に自身最も最高パフォが出せる馬場だったとの考。
これについては言及する人は目に付くメディア等ではそうないだろうが、私的に間違いのないところと考えている。2歳時からずっとこの馬の特性からベストについては言及してきている通り。
・馬場は『万能・超高速も◎,だがベストは稍力のいる馬場』
・距離については『1600~2200が◎範疇』で、ベストは『2000◎!』と見ている
この馬は、もう完全に”走るハービンジャー産駒”そのままの特性である。
前走20w富士Sはデキ超抜!のモレイラで『-0.07』、水準値を割っている。その前の春の東京3戦も然り。
そこから今回未だMaxのデキには余力がある中で『康太替わり』で大きく数値上げ。上述の論法通りで良いかと考える。
ベストの条件ならこれ位の数値で走れる馬。更にデキMax+◎ヤネなら、もっと数値を上げる。
ツイッター時も書いたのだが、秋華賞時に「走る父の成長曲線から、3歳秋で漸く上向いてきた所これから更に強くなる」の通り、そこから更に1年の今回。来年も楽しみのある馬。

2着・ソウルラッシュ (+0.17)
道中,3.4角内めからで直線は中内め程に出す形と、9着までの馬の中で唯1頭内からで相対的に明らかにマイナス・△。
それでいて数値は『+0.17』と非常に強い内容。完全に『モレイラ』で過去比で大きく大きく数値を上げている。
仮に外とは言わずも中め枠なら楽勝の競馬だったろう。
また、予想記事にも書いた通り『休み明けも走るが、本質的に叩き◎型』で『稍下◎』のデキ。一叩きしての超抜であったなら『+0.2』以上の強烈な数値を出せていただろう。
予想記事で『松山→モレイラで最低値で+0.2採る』としたが、実際競馬を見ると正にではあるが、結果を受けての数値的にはそれ以上の衝撃。
来年もモレイラが乗るなら、と楽しみは大きい馬。
がこの馬も勝ち馬同様、今回の馬場はベスト◎!その点は今後も注意したい。
それにしてもモレイラ。以前ツイッターで、5,6年前のJRA受験時にもしJRAジョッキーになっていたら年間300勝もあり得るレベルと述べたが、最近の騎乗全てを見ると本当に惚れ惚れする。下級条件など文字通り馬が変わる、という件もちらほら。
当時のマジックマンが戻ってきたのではと思う程。

3着・ジャスティンカフェ (+-0.00≒水準値)
水準値。この馬で例年の平均レベルの勝ち数値
△+印の5番手評価と、着順は私的予想でピタリ、かと思ったが実際は『+-0.00』と想定を大きく上回る数値。

前走は休み明けの『9.4位のデキ』で叩いた次上昇する→『稍上◎!』しっかり上げてきて元値評価通り走って来、いや想定値以上に走ってきている。

実は過去数値をさらうと3勝クラスの湘南Sで『+0.2』の非常に強い内容で走って今後を大きく期待したのだが、それ以降の7戦はルメール騎乗時のダービー卿で58キロ,キツメの斤量で『+0.17』の高数値出した以外は『水準値の0.00』を1度も出せていなかった。
典のここ1年を見ると衰えが大きく、道中持ってかれる事もしばしばで前走は休み明けでデキもあったがやはりヤネの分もあったろう。他、和生に福永も高数値を出せる騎手ではなく、ルメール騎乗のダービー卿だけ急に高い数値を出してきたのも得心。
が瑠星にしても当然ルメールより大きく数値落ちあるにしても、和生,福永から明確に上がるという程でもないという評価である。
他、ダービー卿との共通点と言えば『馬場』。当時もTrack指数『マイル外回りMs』の馬場であった。
そして昨年のマイルCS・阪神は仮に不利がなければで『実質0.00水準値』も早朝雨の『マイル外回りMs』。
父らしく速い馬場もの万能だが『ベストは稍緩めの力いる馬場』で、『距離は1600m』これで間違いなかろう。明らかにこの条件で高数値を出している。今回もベストの条件。
私的には瑠星がその数値に見合うだけの騎乗が、今回出来た点に少し評価を変える必要があるかなといった次第。

4着・エルトンバローズ (-0.05)
注印4番手評価で着順は、まま。数値も上々。
前走毎日王冠は『前2.25』稍超寄りのSで『-0.02』、LTから0.0差2.3着のソングライン、シュネルマイスターより『55キロ◎』ではっきり劣る内容だったが、14wのそこを叩いて『稍上◎!!』と予想通りに上昇・それも過去イチ超抜!今回の面子で自身の相対比で最もデキの良い馬であった。
それに加えて、自身の特性からも前走東京の超高速よりも、今回の馬場の方が◎!なのは明白。確実にパフォーマンスを上げてくるとの予想であった。
実際の数値においては57キロで1キロ軽い分もあってのもので注意はいるが、この馬に関してはほぼ想定通りといった感じである。
欲を言えば、この馬の特性からもう1列前ならもう僅かだが着差が詰まったかなとは考える。

5着・ダノンザキッド (-0.22)
△-印で想定値。今回の馬場は◎!ベスト。『後1』のラップも良かった。
がデキ。これが故に印を落としての△-印であった。本来なら注印の馬で3着以上もみる元値。
昨年も何度かツイッターで言及しているように『叩き◎馬』。21wの今回は『稍上◎!!』超抜並の時計で動いていたがやはり本質的に叩き良化型で、実際蓋を開ければ『+8』と許容範囲だがベストパフォの観点からは若干太め。それで△-印通りの今回数値だったとの結。
叩いた次上昇でMaxだろう。今年は最初から次の香港が狙いだったのではないかと考える。

7着・シュネルマイスター (-0.4)
大きく大きく数値下げ。予想記事にも書いたように「~判断に迷い」云々、デキの懸念はあった。超抜ではないとしたものの毎日王冠の数値からこの面子ならやれると考えたが、そういう次元ではなく大きく数値を落とした。
出遅れもその後のリズムという点で勿論数値に寄与しているが、直線も外めで『後1』と最後方は悪いものではなく、単純にこの馬の脚を使えてない。実際ナミュールは近い位置から伸びている。
結論としてはやはり『デキ』とするのが正着。懸念、としたが現在は見誤ったと自省。『→◎』で毎日王冠並にはやれるとしたが、実際のところデキ落ちだろう。
あまり知られていないかもしれないのではと思う事があるが、デキが悪いと馬は出遅れる。メンタルとも密接に関連するするかと思うが、休み明けで叩きで使うという場合は大抵出遅れる。それも普段ない大きめの出遅れというのが頻出する。私は普段の予想から過去に出負けのある馬の休み明けは出遅れを予想に加味する。今回の出遅れも、デキ落ちで誘発されたというのであれば論理に合うであろう。
ツイッターで長く見ておられる方はご承知だろうが、この馬は昨年もこの時期からデキが落ちてパフォ落ちが明白だった。時期的に寒くなると”稍”パフォーマンスが落ちるタイプとすべきかもしれぬ。私は厩舎の問題が多少あるとは思っているが。

8着・セリフォス (-0.3)
レースを視たままに『かかり△』。予想記事の不安点、通りに川田が乗りこなせなかっただけ。かかって直線止まり、全く走れず。
またどこかで記事を書こうとずっと思っているのだが(※いつも通りやれていない…)、騎手の腕・評価というのは色々な要素が積み重なって総合的にとなるものの、その中で”巧さ≒技術”というのは詰まるところ大半は『折合い技術の巧さ』であると私は考えている。
折合い技術=道中、馬に余分な負担をかけない ⇒ 結果ヤネによってラストの伸び方が変わる、という論理である。
その技術の最高峰にいるのがルメールでありモレイラ、同じ馬でもヤネによって最後の伸び方が違うのは明白であろう。
これも過去のツイッターで見掛けた事があるかもしれないが、私的に川田は折合いが巧い騎手とは評価していない。今回はマイルであれば、としたが結果御せなかった。
記事通り馬自体『叩きは更に◎』でもあり、次上昇はあるだろうが、今回はそういう次元ではなく走れていない。単に御せずで、度外視で良い。
レーンで改めて。

9着・レッドモンレーヴ (-0.45)
△印6番手評価で想定値。
が実際ベストの条件なら『-0.2~0.3』程の評価の馬で、今回もLT等旨く噛みあえば3着はあり得るとしていた。
前走富士Sは20wで『→下○』は8分程で完全に”叩き”という程の酷いデキだったが、そこで0.2差2着。当時も仮にデキMaxなら勝ち馬ナミュールと同値0.0差との算段だった。
そこから叩いた今回はしっかり『↗◎!!』の超抜。
直線残200程で康太・ナミュールにタックルを受けて大きくヨレ。まさにトップスピードに乗ったところ、その瞬間で非常に痛い不利だったわけで、今回でも不利がなければ『-0.2』の4着争いだったとしている。
※過怠金3万は状況からまあ妥当かと思うが、レッド側からすれば5万でもいい位。
新馬戦以来の関西圏での競馬で、それが唯一とはいえ、かなり大きな不安点でもあった。新馬戦当時は藤沢和厩舎であったが、現在は蛯名厩舎。そして蛯名師はこれまで関西遠征の競馬で明らかに成績が出ていない。常識的には消しだったが、直近はかなり成績が上向いており、関西遠征のノウハウもあるいは完全に掴んだのではと見ての△印だった。
元値通り走れれば上述『-0.2~-0.3』はやれるとみていたが、仮に不利がなければその数値だった。この馬に関しては不安点は払拭出来たとしていいかと考える。
次走以降も元値通りに。
※文中敬称略

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